東和医大に、坂崎という刑事と京都曙署のイマミチ刑事
が正人に会いにやって来ます。江上の事件を担当してい
たのがイマミチ刑事だったのです。刑事は江上と妙子は
顔見知りだったのではないか聞いてきますが、正人は
それを認めません。坂崎刑事は事件について聞きたいの
で明子に会いたいと要求します。明子は未成年で母親の
妙子が亡くなってからあまり時間が経っていないことから
正人は拒否しました。
無言電話が結城家に掛かってきたのを明子が取ります
が、おっかない顔をして正人が電話切り、明子は正人に
戦いてしまうのでした。
柳田に会った正人は、明子が美大で絵をやりたいと言い
出したことを告げます。江上の絵の腕前は、京都の名門
だった由紀子の実家である都築家が見込んだくらいで、
何回も入選しているらしく、柳田は血筋は争えないなと
言いました。明子が絵を習うのはいいのだが、生誕の秘
密が発覚するのを危惧していたのでした。また柳田は
京子と再婚することを正人に勧め、正人は戸惑うのでした。
大学の研究室に行くと京子からまた脅迫電話があった事
を聞き、正人は複雑な思いになります。
正人はビレッジで店長の村井に明子にそれとなく気を
配ってやってほしいと依頼します。潤が店に来たので、
正人は明子が車に水を跳ね上げられた際はお世話にな
ったとお礼を言います。潤は明子の絵が上手いと正人
に言って店を出るのでした。
由紀子に話を聞くために、坂崎刑事とイマミチ刑事は桜
井家に来ていました。坂崎刑事が都築家で働いていた江
上の事を尋ねますが、仕事の現場に行くことがほぼ無か
ったので、よく知らないと言います。15年前に都築家を
放り出されて、恨んでいる江上が、妙子を殺害してその
罪を潤に着せようとしているのではないかと警察は考え
ていると言うのです。由紀子は持病の症状が出て辛くな
ったので、刑事たちは帰りました。
丁度潤が桜井家に来たところで、刑事たちが家から出て
きたので、隠れます。
由紀子の夫の秀彦は、刑事が帰った後由紀子に江上を知っ
ているのか尋ねますが、由紀子は知らないと言います。と
ぼけるなと秀彦は語調を強め、江上と親密な関係であった
こと、そして今でも江上のことが好きなんだろうと、由紀
子を問いただします。由紀子は別れてほしいと言い出します。
都築家が倒れかかった時に助けたのは俺だと秀彦が言ったと
きに潤が入ってきます。姉さんをたらしこんで都築家を略奪
したのは、だれだと、秀彦に敵対心を露わにして突っかかっ
て言いました。秀彦は潤を軽蔑したように金が欲しいかと言
い、潤はバカかと言い返します。秀彦が泥棒猫みたいにそこ
にいないで、用がないならすぐ出て行けと言うと、潤は秀彦
を叩きのめして桜井家を出て行きます。
結城家に潤が正人に用があるから入れてくれと言ってやって
来ました。
その頃明子は友達と春日公園で絵を描いており、そこへ江上が
近寄ってきて、これはだめだなぁ、雲は動いているだろ、筆を
貸してみてと言い、明子に絵を教え始めるのでした。明子は江
上の絵の上手さに心を打たれるのでした。
潤は正人に由紀子との関係について尋ねますが、正人はしらば
っくれます。行く宛がないので一晩泊めて欲しいと潤は依頼し
ますが、正人は拒絶します。潤は日曜日なのに明子がいないこ
とを正人に尋ねると、絵を描きに言ったがていたと言うが、時
計は午後2時半を過ぎていたのです。
正人は潤に留守番をしてもらって、明子を探しに出掛けます。
明子の友達に行方を尋ねると、まだ春日公園にいて絵描きさん
らしき人から絵を教えてもらっていると教えてもらいます。正
人が公園に行ってみるも、そこに明子の姿はありませんでした。
既に夕暮れ時ですが、まだ明子は江上に絵を習っています。明
子は別れる際に手編みのマフラーを江上に贈ります。もし5年後
に自分が生きていれば、成人式の着物の柄を書かせて欲しいと
江上は言って、二人は別れるのでした。
明子が自宅に電話すると、潤が電話に出たのでした。
正人は家に帰り、由紀子に明子は江上に誘拐されたかもしれ
ないと電話をし、由紀子は平静さを失います。ところが電話
の途中に潤と明子が一緒に帰宅したのです。正人は今帰って
きたと言って電話を切りました。
どうやら明子は自宅に電話して潤に迎えにきてもらったらし
いのです。正人は何をしていて何を話したのかと激怒して言い
ます。明子は絵を教えてもらい、5年後成人式の着物の柄を描
いてもらう約束をしたと答えます。正人は明子の頬を平手で張
りました。そして潤に家を出てもらいました。
潤が結城家を出ていこうとした、ポストに不審な手紙が投げ
入れられているのを発見します。それには「正人は明子の父親
ではない」と書かれていたのです。
明子は生まれてから頬をはたかれたのは初めてだったので、
怖かったものの、親子同士の強い結びつきを感じられて心に
ぐっと来たということを正人に言い、江上の描いた絵を見せ
ます。
潤は京子のマンションに行き、結城家のポストに入っていた
「明子の父は、正人ではない」という不審な手紙を、京子に
見せます。二人は話しながら推理し、明子の父親は江上では
ないかという結論にたどり着きます。また潤が明子は妙子の
連れ子かと京子に聞きますが、17年前に正人と妙子は結婚
しているので、ありえないと京子は答えながら、妙子の葬儀
の時に、由紀子が明子を赤ん坊の時から知っていると言って
いたことを思い出し、二人は明子の母親は由紀子であると推
測するのでした。
翌日正人が由紀子に明子がもらった江上の絵を見せると、
江上が描いた絵であることに疑いの余地はないというふうに
言います。そして由紀子は秀彦と離婚して明子と二人で生活
していくと言い始めます。正人は自分勝手なことを言わない
で欲しいと言います。明子が父親が殺人犯であることを、もし
知ってしまったら・・・
正人が明子を殴るシーンは感動的です。また潤と京子の二人
が推理する場面もなかなかいい感じです。