乱れからくり 映画

1979年公開の作品で監督は、「太陽にほえろ!」
の児玉進。脚本は、「蘇る金狼」も書いた永原秀一。
原作は泡坂妻夫の同名小説で、日本推理作家協
会賞受賞作で、直木賞候補にもなった作品です。

主人口の勝敏夫(松田優作)は、城西大学文学部
に進学し推理作家を目指すも、自分に才能がない
ことに気づいて、大学を中退してフラフラしている
25歳。

求人広告でたまたま見つけた経済関係の興信所
の「宇内経済研究所」に入社します。所長の宇内
舞子(野際陽子)とともに依頼された仕事に取り掛
かります。

依頼主は玩具メーカーの鶴寿堂の社長の馬割鉄
馬(岸田森)で、鶴寿堂の制作部長で甥にあたる
朋浩(沖雅也)の素行調査を依頼してきたのです。

勝は朋浩の家族を調査した後、舞子と一緒に朋
浩と妻の真棹(篠ひろ子)の乗る車を尾行中に、
朋浩と真棹の車が交通事故に遭い、朋浩は死亡
しますが真棹は辛うじて救出されます。

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実は鉄馬が依頼をしてきた背景には、大ヒットす
るはずだった玩具に欠陥があったため、鶴寿堂
は多額の負債をおって倒産寸前である中、朋浩と
鉄馬の息子の宗児(峰岸徹)が互いに責任を擦り
付けあっているという状態なのです。

宗児は真棹を脅迫して無理やり肉体関係を結び、
朋浩も薄々それに気づいていたと、宗児の妹の
香尾里(結城しのぶ)は勝に告げ、朋浩に同情し
ていたとも言います。

その後香尾里、宗児、鉄馬と次々にからくりを利
用して殺害されていくのです。馬割毛はねじ屋敷
と言われるほど、複雑に入り組んでおり、外部の
人間が簡単には歩き回ることは出来ないのです。

勝は馬割家の祖先の馬割作藏が、大野弁吉とい
う有名なからくり師の弟子であることを突き止めま
す。そして大野弁吉は江戸時代の加賀藩にいた
銭屋五兵衛という豪商がおり、そこに出入りして
いたからくり師だったのです。そして作蔵は銭屋の
財産の一部を地下洞窟に隠匿していたのです。

勝は真棹とともに洞窟を捜索して、洞窟の壁から
その隠し財産を発見するのです。ところが、死んだ
はずの朋浩が現れて、勝と真棹を殺そうとします
が・・・一体犯人は誰なのか。

からくりのトリックは非常に面白いですね。馬割家
も1970年代に何本映画化されていた、金田一耕
助シリーズのように、旧家のドロドロとした争いの
要素が表されているところも割にいいですね。

松田優作の個性が強いのはもちろんですが、脇を
固める、野際陽子や岸田森、沖雅也、峰岸徹、また
上記には登場してないですが、刑事役の田中邦衛
などの存在感も十分発揮されています。


乱れからくり [ 児玉進 他 ]

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