学会での正人の個人的な発表が新聞記事に載り、それを
読んだ明子は狼狽えます。秀彦も由紀子も同様に狼狽え
ます。京子以下研究室のスタッフも記事を読んでいました。
スタッフの1人が会場には分科会の関係者以外にはいなか
ったはずなのにと怪訝そうでした。
研究室の京子にサイジョウタカアキから電話があり、サイ
ジョウは京子を飲みに誘いますが、京子は断ります。7時
からくれーる・ド・赤坂で飲んでいるからその気になった
ら来てくれとサイジョウは言いました。
研究室の高浜に正人から電話があり、講義もないから研究
室に行かないと言います。スタッフは帰る準備し、帰り始
めますが、京子は複雑な表情をしていました。
結城家に江上から電話があり、正人は江上と競艇場で落ち
合います。江上は新聞記事のことで、正人を責めます。正人
は全部明子に話すつもりだと言うと、江上は血が繋がって
いないから、そんなことができるんだ、もし話したら殺すと
激怒します。正人は江上に自首を勧めるのでした。
ます。すると由紀子が既に来ていて、明子を看病していまし
た。由紀子は正人に明子を引き取りたいと言います。血の
繋がりを訴えるのです。正人は言い返すことが出来ず、明子
次第だと言って明子に委ねます。しかし正人は自分を選んで
もらえる自信がありました。鎮静剤の効果が薄れて目を覚ま
した明子は由紀子を選ぶのでした。正人は衝撃を受けます。
明子は観察されて生きるのはまっぴらと言うのでした。
正人は一人で酒を呑んだ後、ビレッジに寄り村井と酒を呑む
のでした。村井は正人を元気付けようとしますが、正人は血
の繋がりは、あらゆる理性や道徳を超えてしまうと言うので
した。
次の日正人は京子に、明子が学校で平均台から落ちて怪我
をして入院したこと、そして由紀子に引き取られたことを伝え
ました。
明子が桜井家に行くと、部屋が新しくされており、由紀子も
いつも以上に嬉しそうでした。家政婦のクメにお嬢さんと
呼ばれた明子は照れて、明子と呼んでくださいと言うので
した。クメは京都の都築の方で世話になっていたこと、由紀
子を幼いころから知っていることを明子に話します。明子は
昔の事を聞こうとしましたが、逡巡しました。明子が生まれ
時の事を尋ねると、クメその時はいなかったと答えました。
帰宅した秀彦に明子が夕刊を取ってあげようとすると、夕刊
から江上の顔写真が溢れ落ちました。秀彦は何でこんものが
あるんだと激昂します。由紀子にも覚えはないので、誰かが
差し込んだのです。このやり取りを2階から聞いていた明子
に、クメがどうしたのか尋ねますが、明子は黙っています。
写真の裏には、殺人犯 江上勝 と書かれていたのでした。
由紀子は結城家で、正人にその顔写真を見せました。正人は
由紀子に明子のそばにいてやってくれと言って、写真を預り
ます。その時電話が掛かってきて正人が出ると、由紀子へクメ
からで、目を離した隙に明子がいなくなったと言うのです。
その時明子は本屋に行っており、六法全書の刑事訴訟法の
公訴時効のところを読んでいたのでした。
京子のマンションに電話があり、帰宅したところだった
京子は郵便受けに置き手紙があったのを気にしながら
電話に出ると正人からでした。明子の姿が見えなくなった
が、居所を知らないかと尋ねます。京子は置き手紙が明子
からのものだったので、安心してと言い、手紙に書いてある
話があるから、広尾の自然公園にいるという内容を読み上げ
ました。正人も行くと言いましたが、京子はそれを止め、
自分1人で行くと告げました。
正人は電話を切った後、やはり殺人事件の資料を持って
行く事にします。由紀子がその話はしないで欲しいと、
止めますが、正人は、明子は血の繋がりより愛を必要
としている、生き方全てをを掛けて話し、乗り越えられれ
ば、本当の親子になれると言って出かけました。由紀子
は発作を起こし、しゃがみ込んでしまいます。
広尾の自然公園に京子が行くと明子がいました。明子は
京子に本当の父親は何をしたのかと強く尋ねます。京子
が答えようとすると、背後にいた正人が、そこからは
私が話すと言ったので、京子はその場から立ち去ります。
正人は明子に江上勝の殺人事件の新聞の切り抜きを見せ、
江上は殺人犯だと告げます。明子は強いショックを受ける
のでした。
三崎が捕まっている状態で、江上の写真をポストに入れて
いるのは誰なんでしょうか。