ブラック・レイン 松田優作

1989年にアメリカは9月公開、日本は10月に公開され
た作品です。監督はリドリー・スコット。主演はマイ
ケル・ダグラス、他の出演者は高倉健、松田優作、ア
ンディ・ガルシア、ガッツ石松、内田裕也、神山繁、
若山富三郎などです。

ニューヨーク市警殺人課の刑事ニック(マイケル・ダ
グラス)は、半年前に容疑者を逮捕した際に発見され
た現金が少なかったことから、横領の疑いを掛けられ
ています。というのも、ニックは半年前に妻と離婚し、
子供の養育費を稼ぐのにも苦労していたからです。

そんなある日、ニックは同僚のチャーリー(アンディ・
ガルシア)と昼食時にレストランで、日本のヤクザが
別のヤクザの幹部と子分を殺す現場に遭遇します。

ニックとチャーリーは、追跡の末犯人のヤクザ佐藤
(松田優作)を逮捕します。佐藤は日本で指名手配さ
れていたので、ニックとチャーリーは佐藤を日本へ
護送することになるのです。

飛行機で大阪に到着し、空港で待っていた刑事に佐
藤を引渡しますが、これが佐藤の子分で偽刑事だっ
たのです。

まんまと佐藤を奪われたニックとチャーリーは、大阪
府警の捜査に加わろうとしますが、大橋警視(神山繁)
は、2人には捜査権限がないことから許可をせず、2人
の銃を押収し、松本正博警部補(高倉健)の監視下に置
きます。

ニックとチャーリーは、このような状況で佐藤を探し
ますが、捜査方法や日本の風習などの違いに戸惑う
ニックは松本に八つ当たりします。次第に松本とニッ
クの仲は険悪なものとなります。

そこでチャーリーは、2人仲を取り持とうと、クラブ・
ミヤコへ3人で向かいます。しかしニックは、佐藤の
情報収集のために、外国人ホステスのジョイス(ケイト
・キャプショー)に聞込みを行います。ジョイスから、
佐藤はヤクザのボスの菅井(若山富三郎)と抗争中で
ある事を知ります。佐藤は元々菅井の子分でしたが、
今は新興勢力として独立しているのです。

ミヤコからの帰り道、ニックはチャーリーとはぐれま
す。チャーリーは、佐藤率いるバイク集団に取り囲ま
れ、佐藤によって殺害されてしまいます。

ニックはチャーリーの敵討ちのため、松本と協力して、
佐藤を追い掛けます。そして佐藤と菅井の抗争は、偽
ドル札の原版を巡ってのものであることが分かります。

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そしてヤクザの親分衆と佐藤の取引現場に辿り着き、
佐藤を逮捕しようとしますが、取り逃がします。さら
に、ニックは追跡時の発砲によってアメリカに強制送
還される事になり、松本も責任を問われ自宅謹慎にな
ってしまいます。

諦めきれないニックは、出発予定の飛行機を抜け出し、
松本に協力を要請しますが、自宅謹慎中のため松本は
断ります。そこでニックはジョイスから菅井への接触
のための情報を得て、単身菅井に会いに行き 、佐藤
を逮捕するための情報を得るのです。

菅井と佐藤が話合いを行う場所である農家のある
所へ行ったニックが潜伏していると、松本もニックに
協力するために現れました。菅井と佐藤の話合い
は、指詰めを要求され指を詰めますが、そのナイフ
で菅井の手のひらを突き刺します。そして隠れてい
た佐藤の子分たちが銃撃を始め、菅井は始末され
ます。

バイクで逃げる佐藤ですが、ニックの必要な追跡
により結局激しい格闘の末、佐藤はニックに逮捕
されます。ニックと松本は佐藤逮捕の功労をたたえ
られて感謝状をもらい、2人の仲はより深まったの
でした。

そして別れの日、ニックからプレゼントをもらった
松本が中身を開けると、そこには偽ドル札の原版
が入っていたのでした。

劇場版映画としては、松田優作の遺作であるこの
作品。ご存知の方も多いと思いますが、既に癌に
冒されていた松田優作は、強烈な痛みに耐えての
演技だったそうです。だとすれば、ラストシーンの
マイケル・ダグラスとの格闘シーンは、本当に見応
えがあります。とても痛みを耐えている人間の演技
とは思えません。

松田優作が癌にさえなっていなければ、間違いな
くハリウッドで大活躍する俳優になっていたと思え
るので、残念でなりません。ハリウッドの名だたる
俳優たちとの共演する作品が見たかったですね。
実際ブラック・レインのあと、ロバート・デ・ニー
ロとの共演の話はあったそうですから。

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