華の乱 吉永小百合

1988年10月公開。監督は深作欣二。主演は吉永
小百合。他の出演者は松田優作、石田えり、池
上季実子、緒形拳、風間杜夫などです。

明治34年、与謝野晶子(吉永小百合)は、親友の
山川登美子(中田喜子)を出し抜いて、与謝野寛
(緒形拳)に会いに行き、寛と結婚します。

大正12年、11人の子持ちになった与謝野晶子。
しかし夫の寛は才能の行き詰まりによって、意
欲を無くして鬱病になり、無為な生活を送ります。

そんな折、帝国劇場に松井須磨子(松坂慶子)の芝
居を見た帰りに、晶子は無政府主義者の大杉栄(風
間杜夫)らが警官隊と乱闘になっている現場に出く
わします。その時、雑誌記者の波多野秋子(池上季
実子)と一緒にいた有島武郎(松田優作)と出会い、
互いに惹かれ合います。しかし秋子も有島に惹か
れていたのです。

晶子の夫の寛が突然郷里の選挙に出ると言い出し
ます。登美子の叔父が推薦したのです。しかし選
挙運動について非難した晶子は、寛の怒りを買い、
1人で帰京します。案の定寛は落選し、結核に罹っ
た登美子と一緒に暮らし始め、家に戻らなくなり
ます。

妻を亡くして以来、2人の息子と暮らしていた有島
と昌子は、ますます間柄が深まります。子供達が
風邪を引いている中、有島から北海道に誘われた
昌子は、直ぐに列車に乗って向かいます。全てを
捨てる覚悟で家を出た昌子は、有島と体を重ね合
ます。

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しかし結局家族を捨てきれない昌子と別れた有島
は、秋子と心中してしまいます。有島の葬儀には
寛と登美子が現れました。

結局登美子も亡くなり、寛はまた晶子の家に戻っ
て来るのです。間も無く関東大震災が発生し、晶
子の一家も罹災し、家も財産も失います。

この災害に乗じて、社会主義者自由主義者を排除
しようとしていた警察によって、大杉とその妻伊
藤野枝(石田えり)が捕まり、拷問死してしまいま
す。昌子は、捕まってひきづられて行く彼らにせ
めてもの食料をと、握り飯を渡すのでした。

昌子は焼け野原になった東京で、子供たちのため
に強く生きていくことを決心するのでした。

出演者は何れも豪華俳優陣で、文句のつけようの
ない布陣です。しかし、あれもこれも盛込み過ぎ
ているというのが、強いて上げられる難点でしょ
うか。

でも、本当に一人一人の役者さんの演技力で、
散漫なストーリーも、モノともしない、見る者
を引き付けるだけの内容になっているのは間違
いないです。もちろん我らが松田優作も、抑え
た演技ながら、存在感を十分発揮しています。
今にして思えば、吉永小百合さんとも共演して
いたなんて、すごいですね。

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