ア・ホーマンス 映画

1986年10月公開。松田優作が初の監督と主演を
務めた作品です。当初は別の監督がメガホンを
取っていたそうですが、松田優作との作品への
考え方が大きく異なったため、松田優作が監督
を務めたそうです。主な出演者は松田優作の他
に、石橋凌、手塚理美、ポール牧、阿木燿子な
どです。

ヤクザ同士の抗争で一触即発の状態にある
新宿に、バイクに乗った1人の記憶喪失の男
(松田優作)が現れます。

廃屋に住むようになった男に、大島組の幹部
の山崎(石橋凌)は、その自由な生き方に惹か
れて、男のことを風(ふう)さんと呼ぶようにな
ります。山崎は彼に仕事を紹介してほしいと頼
まれて、自分の経営するデート喫茶で働かせる
のです。

そんな折、大島組の組長が対立する旭会の構
成員によって銃撃されて殺されるという事件が
勃発します。組長の死亡後、組の実権を握った
インテリヤクザの藤井(ポール牧)は、旭会の副
会長を殺害するように、山崎に指示します。そ
してその準備のために、覚醒剤を拳銃と現金に
交換する取引をするようにという指示も出しま
す。

こっちは組長を殺されているのに、なぜ会長で
なく副会長を狙うのか納得がいかない山崎です
が、藤井はこれで手打ちにして、旭会と手を組
み、さらに大きな縄張りを手に入れようとして
いたのです。

覚醒剤の取引に強引に手伝いを申し出た風と
一緒に、山崎は車で取引現場に向かいます。
無事取引を終え、藤井に取引相手から受取った
トランクを渡します。藤井は山崎に、タイミン
グが来るまで勝手に弾けるんじゃねぇぞと、釘
を刺します。

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山崎と風は、2人をマークしていた福岡刑事(小
林稔侍)らに連行されて取り調べを受けますが、
2人とも口を割らず釈放されます。山崎は風に
この街を出るように言います。山崎は藤井の言
いつけに歯向かい、旭会の会長を殺すつもりな
のです。

藤井は組員らに山崎をバラすように命じます。
しかし山崎を見つけた2人の組員は、あっさり
山崎にやられて逃げ出します。藤井は山崎の
恋人の千加(手塚理美)を強姦します。

そして藤井の元に、風が街に戻ってきたと連絡
が入ります。藤井は風に会って、山崎殺害を命
じますが、逆に山崎に手を出すとお前を粉々に
砕いてやると脅されます。

山崎は旭会の会長の殺害に成功し、千加の元
に現れます。そこには風もいましたが、藤井の
放ったヒットマンに撃たれてしまいます。風は
山崎に自分の着ていたジャンバーを掛けてやり、
山崎を撃ったヒットマン3人を追いかけ、仕留
めます。そして3人目のヒットマンを仕留める
時に風は撃たれますが、実は撃たれたお腹の中
はなんと機械だったことが分かるのです。

山崎の撃たれた現場では、現場検証が行われ
ていました。戻ってきた風は千加に。山崎さん
はまだ死んでませんよと告げます。丁度山﨑が
救急車で運ばれるところでした。千加も一緒に
乗り込むのでした。

公開当時、試写会のチケットが当って見に行っ
た作品です。舞台挨拶に松田優作、石橋凌、手
塚理美が来ていました。これが生の松田優作を
見た最初で最後でしたので、貴重だったなと今
でも思います。

試写会の会場は大阪だったので、松田優作が今
年は阪神タイガースは調子が悪いですが、映画
は面白いので、楽しんで下さいという趣旨のこ
とを言っていたと記憶しています。

映画の内容についても、当時は中学3年生で、
風が実はサイボーグだったという内容が今ひとつ
腑に落ちなかったのですが、今となってはこれも
ありかなと思えます。いろいろ実験的なことも仕
掛けていますし。

共演者の石橋凌もこの作品まで殆ど役者経験が
ないのに、それを感じさせない演技でしたし、ポ
ール牧のヤクザ役もピッタリハマってますね。


ア・ホーマンス [ 石橋凌 ]

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