ドラマ 断線

松本清張原作で、テレビ朝日系列の土曜ワイド
劇場で放送されたドラマ。監督は崔洋一。出演
は松田優作の他、木村理恵、風吹ジュン、辺見
マリなどです。

証券マンの田島光夫(松田優作)は、東西銀行
で山岡秋子という女性名義の通帳を持っていた
ことから、行員の滝村英子(木村理恵)に怪しま
れますが、それがきっかけで交際に発展し結婚
し、光夫は婿養子として滝村姓になります。

真面目でおとなしい光夫は英子の両親とも上手
く行っており、理想的な夫でしたが、突然光夫
が家に帰って来なくなるのです。

徹夜麻雀の予定と聞いていた英子は、光夫の
勤める証券会社へ事情を聞きに行きますが、
光夫の上司の田宮(北村総一朗)からは麻雀
はしておらず、愛人と会っているのではない
かと言われます。

田宮の言うとおり、光夫はホステスの乃里子
(風吹ジュン)と乃里子のアパートで同棲して
おり、会社も辞めてクラブのボーイをしてお
り、山岡秋子名義の通帳も解約していたので
した。

しかし一銭のお金も入れないヒモ同然の生活を
送る光夫はさらに蔵垣冴子(辺見マリ)という女
性とも会い始めるのです。

お金を入れない光夫に業を煮やした乃里子は、
光夫と口論になり、好き放題言われてカッと
なった光夫は、乃里子を殺してしまいます。

光夫は冴子と会っていても抜け殻のようで、つ
いに冴子から心中を持ちかけられます。2人で海
岸の海の家で、睡眠薬を飲んで心中を図ります
が、光夫だけ生き残ってしまいます。

その後英子は光夫と再会します。そして新聞で
光夫の事件のことを知ります。そして英子は光夫
と一夜を共にし、光夫が海岸でナイフによる心中
を試みますが、果たせずに光夫は警察に逮捕さ
れます。

光夫は幼少時代に、母親と妹が無理心中を図り、
光夫だけが取り残されたのでした。その妹の名
前が通帳の名義であった山岡秋子だったのです。

そして光夫が英子と心中しようとした海岸が、
母と妹が心中した海岸だったのです。

結局、松田優作演じる光夫が生きる気力のない、
ヒモのような生き方しか出来ないのは、母と妹
の心中事件が原因だったのですね。だからこそ
生に対する執着心がないんでしょうね。

そしてこのドラマの面白いところは、主人公の
光夫は男性なのですが、その光夫を英子、乃里
子、冴子という3人の女性が動かしているという
か、その時その時の光夫の拠り所になっている
ところですね。

松田優作が、こういう役どころを演じていたと
いうのも、今となっては貴重ですね。


断線 [ 松田優作 ]

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