1982年9月~10月に全5回に渡り放送されました。原案
は大岡昇平で、脚本は早坂暁によるオリジナルです。出
演は主演の若山富三郎、松田優作、松尾嘉代などです。
東京都下の離島の診療所の医師相沢(松田優作)が、看
護婦の勝見晴江(松尾嘉代)を、崖から突き落として殺
そうとしたという殺人未遂事件が発生。
菊池弁護士(若山富三郎)のもとに、容疑者の弁護依頼が
舞い込みます。相沢は東大出身のエリート医師で、大学
病院に勤務していましたが、突然辞職して離島の診療所
に勤務したのです。
菊池弁護士は事件を引き受けますが、なんと開廷直後に
心臓発作で倒れます。相沢が的確な処置をしたので事な
きを得ます。菊池弁護士は相沢の過去を探ります。
調べを進めるうちに、菊池弁護士は相沢が自分が突き落
とした晴江を徹夜で手当をしたことや、相沢が晴江に結
婚を迫られたとしても、殺そうとするような人間ではな
いといった証言がたくさんあることを知ります。しかし
晴江の意識は戻らず晴江の証言は得られません。
また裁判で、相沢は自分の罪を重くして欲しいという異
様な発言をします。そこで菊池弁護士は、相沢は誰かを
庇っていいるのではないかと疑惑を持ちます。
さらに菊池弁護士が調べていくと、相沢は晴江と以前か
ら知り合いで、2人とも同時に大学病院を辞職していた
ことが判明します。そして1人の女性が現れ、相沢は私
の子供を殺したと告白します。
相沢と晴江の過去に何があったのか、そこには大学病院
での新生児の安楽死にまつわる出来事が存在していたの
でした。
心臓発作に襲われながらも事件を解明していく菊池弁護
士。果たして事件の真相は・・・
事件シリーズはNHKで全6シrーズに渡りドラマ化されま
した。その5シリーズ目が今作で、若山富三郎と松田優
作の互いに魂のこもった白熱の演技に目が離せません。
2人ともさすがというしかない領域の役者ですね。この
ドラマから7年ほど後にこの2人は、映画ブラック・レイ
ンでも、ヤクザの親分と元子分の関係で共演しています
ね。今回の弁護士と容疑者の医師の関係同様、迫真の演
技です。