映画 陽炎座 あらすじ

1981年8月公開。監督は鈴木清順。原作は泉鏡花。
出演者は主演の松田優作、大楠道代、加賀まりこ、
楠田枝里子、大友柳太朗、麿赤兒、原田芳雄、中
村嘉葎雄ほか。

舞台は1926年の東京。新派の劇作家の松崎(松田
優作)は、落とした付け文が縁で、謎の美女品子
(大楠道代)と3度出会い、一夜を共にするのです。

松崎はこの出来事を、品子のパトロンの玉脇(中村
嘉葎雄)に話します。その時大富豪玉脇の広大な屋
敷の一室が、品子と会っていた部屋とそっくりで、
品子は玉脇の妻なのではと、松崎は驚きます。

その数日後松崎は、品子とよく似た振り袖姿のイネ
(楠田枝里子)と出会い、イネは玉脇の妻ですと言う
のです。しかしイネは松崎と出会う前に亡くなって
いたというのです。

松崎は、下宿先の女主人のみお(加賀まりこ)から
玉脇の過去を聞きます。ドイツに留学していた玉脇
はイレーネと結ばれ、彼女が日本に来てイネになり
きろうとしたことなどです。そしてイネは病気にな
り入院。玉脇は後添えに品子を呼んだのです。

「金沢、夕月楼にてお待ち申し候。」と品子からの
手紙で松崎は呼び出されます。金沢に向かう汽車
の中で玉脇と出会います。彼は金沢へ亭主持ちの
女と若い愛人の心中を見に行くと言うのです。

金沢で品子と出会った松崎ですが、品子は手紙を
書いた覚えはないと言うのです。おまけにあれは夢
の中で書いたもので、おイネさんが手紙にしたので
すとまで言います。

さらに松崎は玉脇に品子との心中を唆されます。
何とかそれを逃れた松崎は、アナーキストの和田
(原田芳雄)と知り合います。和田によって老人形師
(大友柳太朗)のところに連れられ、博多人形を裏返
し、空洞を覗きます。するとそこには男女の情交の
世界が広がっているのでした。そして最後の人形を
覗くと、そこは死後の世界だったのです。人妻と若
い愛人が背中合わせに座っていたのでした。

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衝撃を受け金沢から逃げ出した松崎は、幻聴のよ
うな祭り囃子に誘われ、子供芝居小屋の「陽炎座」
へと辿り着くのです。するとその舞台では、玉脇、
イネ、品子の愛憎の人間関係が絡み合っていて・・・

鈴木清順監督の大正ロマン3部作の1つです。独特
の映像美、そして不可思議さ・妖しさが表現された
作品で、理屈や常識の世界を大きくはみ出した内容
だと思います。

その中で、アクション俳優から演技派俳優へと移行
しつつある松田優作にとっては、新境地を開いた作
品となったと言えるのではないでしょうか。松田優作
と絡む、中村嘉葎雄と原田芳雄もさすがという感じ
です。

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