1981年4月公開で監督は、松田優作の希望で工藤栄一。
松田優作は主演のみならず、主題歌・挿入歌も担当し
ています。他に主な共演者は、辺見マリ、蟹江敬三、
田中浩ニ、山田辰夫、山西道広、鹿沼えりなどです。
宇崎竜童が友情出演をされています。
舞台は横浜。BJ(松田優作)は、ブルースバーJOJOに
遅れて到着したため、マスターの除除(宇崎竜童)に怒
られた後、客の前で持ち歌の「灰色の街」を歌います。
元刑事のブルースシンガーのBJは、歌だけでは食べて
いけないので、副業で、私立探偵もやているのです。
ある日失踪した少年の明(田中浩二)の捜索を母親のこ
ずえ(馬渕晴子)から依頼されます。
明の所在を見つけたBJは、ホテルに行き横浜を支配す
る組織「ファミリー」のボス牛宅麻(財津一郎)に会い
ます。明は牛に囲われて男色の相手をしていたのです。
そして明は「今の仕事に満足しているから、ほっとい
てほしい。」と言うのです。帰り際にBJは、牛の部下
の蟻鉄雄(蟹江敬三)の姿を目にします。
BJはバーJOJOでこずえに明のことを報告します。こず
えは「身体にだけは気をつけてほしい」と伝えてほしい
とBJに頼みます。
BJはニューヨーク時代からの親友である椋圭介(内田裕
也)にゴルフ場の呼び出され、「麻薬取引の大親分であ
る、ファミリーの牛に近づき過ぎたので、危険を感じる
から刑事を辞める」と言われます。その直後、椋は何者
かに狙撃され殺されます。昔からBJを嫌っていた椋の部
下の紅屋(山西道広)は、BJが椋の妻の民子(辺見マリ)と
恋人関係にあったことから、彼女を椋に取られたことを
恨んで殺害したのだろうと、BJに疑いを掛けます。紅屋
は取調べで殴る蹴るの暴行を加えますが、BJは証拠不十
分で釈放されます。
BJは椋の事件を独自に捜査し、椋が撃たれたのと同じ銃
を蟻が持っていたのに気づき、蟻の行方を探します。蟻
の女から、男にも興味をを持っていてゲイと付き合って
いること、近日中に国外に出ることを聞き出します。
ゲイの1人から蟻の居場所を聞き出したBJは、メガネ屋
を訪ねます。しかし店主の堀(殿山泰司)、安永(安岡力
也)によって捕らえられてしまいます。そしてその夜大
きな麻薬取引があることを耳にします。
BJは脱出して蟻の車のトランクに忍び込みます。しかし、
そこで明の死体を発見するのです。蟻たちは取引相手と
商談をしていましたが、そこに紅屋が現れた蟻一味を銃
で皆殺しにします。紅屋は金を奪って車で逃げようとし
ますが、車に爆弾が仕掛けられていて爆死します。しか
し金は消えていたのです。
横浜港の駐車場でBJは1人の男を待ち構えます。そこに
現れたのは、死んだはずの椋でした。全ては椋が仕組ん
でいたことだったのです。金を奪って国外脱出を図って
いたのです。そんな椋をBJは射殺します。そして船上で
夫の椋を待つ民子に、BJは金の入ったトランクを渡して
見送るのでした。そしてBJは明の死体を洗って服を着さ
せてブルースを聞かせるのです。
この作品は探偵フィリップ・マーロウで有名なロバート
・アルトマン監督作品で1973年公開の「ロング。グッド
バイ」の影響を強く受けているそうです。ブルースシン
ガーとしての松田優作もかなり渋いです。次第にアクシ
ョンより演技派俳優になっていくなぁと感じさせられま
す。