松田優作の時代劇初主演映画です。時代劇
としては、1974年の原田芳雄主演の「竜馬
暗殺」以来の2作目の出演となります。
双子六兵衛(松田優作)は福井藩の武士ですが、
酷く臆病者で犬や蛙さえもダメなんです。
妹のかね(五十嵐淳子)から、兄が臆病者で評
判が悪いからお嫁にいけないと言われる始末。
その頃福井藩では、武芸の腕を買ってお抱え
武芸者として仁藤昴軒(丹波哲郎)を召し上げ
ていました。剣も槍も一流の腕前です。
これを快く思わない藩主のお気に入りの若手の
重臣である加納平兵衛(岸田森)の仲間たちが、
夜に酒で酔った昴軒を襲いますが、返り討ちに
会い、止めに入った平兵衛も昴軒に斬られてし
まいます。
昴軒は藩を勝手に出奔してしまったので、怒っ
た藩主は上意討ちを命じます。しかし昴軒の
腕前を恐れ誰も手を挙げる者がいない中、六兵
衛が妹のために名乗り出るでした。
妹のかねが止めるのも聞かず六兵衛は、昴軒を
追って北国街道を旅立ちます。
まともに勝負しても勝ち目のない六兵衛は、心理
作戦を用います。また道中の宿屋の若女将およう
(高橋洋子)の協力も得て・・・。
あのアクションスターの松田優作がまさかの臆病者
の武士の役というギャップが凄いんです。でもさすが
優作は、何でもこなします。見ていると次第に、意外
にも似合っている感じがしてくるんです。
優作に次第に追い詰められていく丹波哲郎の様子
も分かりやすいですよ。
また優作に協力する高橋洋子さん、めちゃくちゃ可
愛いらしいですね。
やっぱり何事も頭を使わないといけませんね。正面
からぶつかって行くことだけが正解ではないという
ことなんですね。
原作は、山本周五郎の「ひとごろし」(新潮文庫)です。