1976年公開の映画で、当時クールスのリーダーだった
舘ひろしの映画デビュー作でもあります。
1975年にドラマ「俺たちの勲章」の鹿児島ロケの打上げ
の際に予備校生に暴力を振るったために、1976年の1月
に逮捕された松田優作は 1年間テレビドラマのレギュ
ラー出演を自粛中でした。
1975年5月にクランクインしたこの映画は、元ボクサー
ではみ出し教師の溝口(松田優作)と、不良少年グルー
プのリーダー喜多条(舘ひろし)との対立と、歪んだ大人
社会に対する葛藤を描いたものです。
新任体育教師として、名門愛徳学園高校に転任してき
た溝口は、不良少年グループリーダーの喜多条のいる
3年C組の担任になります。
溝口は体育で喜多条ら不良グループを徹底的に締め上
げますが、喜多条らは授業を抜け出したり、テスト用
紙を紙飛行機にして飛ばしたり、盗みを働いたりとや
りたい放題です。
そんな中、校長の難波(名和宏)と理事長の石黒(安部徹)
は、学園移転による土地の売却から発生する巨額のリベ
ートを取る計画を立てていたのです。
そのことを知った石黒の娘ますみ(結城なほ子)は、堕落
してしまい、自ら不良グループと付合い始め、喜多条は
なほ子の痴態を写真に撮り、石黒に送りつけます。
石黒は写真のネガを取り返すことを溝口に依頼します。
溝口は不良グループのアジトへ単身乗り込み、喜多条
からネガを取り返します。
喜多条は溝口のことを調べ、溝口が元ボクサーで、試合
で相手を殺した経験のあることを突き止め、溝口を非難
します。
溝口に相手にしてもらえない喜多条はついに、溝口の妹
の淳子(山本由香利)をレイプします。怒り狂った溝口は
学校で喜多条をボコボコに殴り、喜多条はナイフを振り
回し、結局警察に通報され溝口は謹慎、喜多条は退学と
なってしまいます。
難波は喜多条を退学にしたことで、さらに風紀改善を図
る意図から生徒会長で剣道部主将の新田(南条弘二)を焚
き付けて、残りの不良グループに対抗すべく親衛隊組織
を編成させるのでした。
石黒と安部の悪巧みを知った教師の花房(安西マリア)は、
不正を糾弾しようとしますが、他の教師たちは非協力的
で、花房は溝口を頼ります。しかし謹慎中の溝口は酒を
あおるばかりで、取り付く島もありません。
淳子が謝りながら花房を送っていく途中に、2人は蛇のイラ
ストのついたジャンパーを着た集団に襲われ、花房はレイ
プされ、淳子は逃げようとしてトラックに弾かれて亡くな
ってしまいます。
この事件が喜多条らの不良グループの仕業に見せかける
ために、校長の難波の命令で新田らの親衛隊組織がやった
事と知った溝口と喜多条は、報復のため学園に乗り込み・・・
松田優作の暴力シーンは見応えありますが、アクションシー
ンがないので、物足りない気がします。
舘ひろしがセリフが全て棒読みなのは、面白いですよ。また
不良グループにクールスのメンバーの方々が出演されてい
るのは貴重かもしれません。