赤い迷路 あらすじ 第20話 「愛と死」

妙子殺害事件のあった昭和49年10月4日の午後、三崎は
撮影会前に、モデルの緑川レイコとマネージャーの沼沢
コウイチと喫茶店ローターリーで打合せをしていたと供
述し、2人の供述からも、三崎のアリバイは成立していま
した。

ただ三崎はカメラマンとして撮影のため工事現場を数多
く周っていたので、潤のヘルメットを手に入れることは、
訳もないことでした。

坂崎刑事は、三崎のアリバイの再確認のため、喫茶店で
沼田を事情聴取します。坂崎の質問に沼田は、当初の供
述を変えませんでした。しかし、緑川レイコとラブホテ
ルで逢瀬を繰り返していた事を坂崎刑事が指摘すると、
沼田は顔色を変え、ついに事件当日、三崎と会っていな
いことを認めるのでした。三崎のアリバイがついに崩れ
ました。

柳田は三崎を真犯人と判断し、坂崎刑事が三崎のアパート
へ逮捕に向かいますが、部屋はもぬけの殻でした。

結城家に来ている由紀子は、戸締まりをしっかりチェック
し、三崎が逮捕されるまで、何と言われようと明子を守る
ためにここにいると断言します。明子はこの前は、ごめん
なさいと、タクシーを降りて、桜井家に行かなかったこと
を謝罪しました。本当は由紀子に会いたかったと言って、
明子は涙を浮かべます。由紀子は明子にあなたの気持ちは
分かっていると言って抱き寄せます。明子はお母さんと言
って、2人は抱き締め合うのでした。

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丁度その頃三崎は焼け落ちた家に身を潜めており、「やるか」
と独りごちていました。

正人と明子と由紀子の3人で朝食を食べていると、明子を学校
に送り迎えするために、村井がやって来ます。明子は刑事と
村井に保護されながら車で登校するのでした。

潤の発作は変わらず続いており、正人は由紀子に潤の状態が
深刻であることを告げます。正人に呼び出された潤が結城家
に到着しました。由紀子は入院するよう潤を説得しますが、
潤は心配ないと言うばかりでした。

校門の手前で村井の車から降りた明子は、刑事と一緒に学校
に向かいます。すると明子たちの車の後をつけていた三崎が
先回りして、刑事と明子を車ではねました。明子と刑事はその
場に倒れます。そして三崎は明子を自分の車に乗せて、逃亡
します。村井が三崎の後を追いますが、途中で見失います。

柳田から電話があり、正人は明子が三崎に拉致されたことを
聞きます。

京子は城北警察署に行くと、そこに正人と由紀子と潤と村井
が既に来ていました。みな明子の事を心配しています。

ビレッジに、村井と潤と京子が待ち構えていました。そこへ
江上から電話が掛かってきます。電話に出た潤にテレビで明子
の事を知った。また三崎の居場所に心当りがあると言います。
潤は江上が言った場所を誰にも告げずに、店を出るのでした。

潤は地下鉄の駅で江上と会います。自分の娘が偉い先生に
貰われて何不自由なく育てられていることを、一度だけ他人
に話したところを三崎に聞かれ、その後三崎はこれをネタに
妙子を脅していた事を後になって知ったという、これまでの
経緯を潤に話しました。そして江上は妙子殺しの犯人である
ことを三崎に問いただそうとしましたが、逆に三崎に脅迫され
てしまったのです。潤と江上は明子の救出に向かうのでした。

ビルの廃墟のようなところに到着したその時、三崎は明子を
殺そうとしているところでした。潤と江上は明子を助け出し、
江上は明子に近くの交番に行くように伝え、明子を逃します。
潤は三崎と揉み合いになります。潤は発作に耐えながら三
崎を捕まえて、犯行動機を尋ねます。三崎は幸福そうなヤツ
を見て頭にきただけと答えます。丁度パトカーのサイレンが
響き渡り、三崎は刑事が階下に来ている見つけます。三崎
は自殺しようとしますが、潤は死にたくなくても死ぬしか無
い人間もいるんだよと言い、三崎を止めます。そして三崎は
逮捕されますが、潤がその場に倒れてしまします。

ビレッジに電話があり、明子が無事に保護されたと村井が
聞き、京子にそれを伝えると、京子も喜びました。

明子は南警察署に保護され、迎えが来るのを待っていると、
正人と由紀子がやって来たので、明子は喜びます。そして
警察官が電話で現場で潤が倒れたことを話しているのを、
由紀子と正人は耳にします。

潤が入院した病院で、正人は医者から手術不可能と聞き、
暗澹たる気持ちになるのでした。意識が回復した潤は、ずっ
と看病していた由紀子に喉が渇いたと由紀子を病室の外へ
行かせます。潤は目に巻かれていた包帯を取り、視界が暗
いことに気が付いて、軽くパニックを起こし、死にたくない
と嘆くのでした。

京子は潤を見舞いに行かず、ビレッジにいました。明子は
潤を見舞います。潤は明子に強がって見せますが、明子
は心配そうに潤を見つめます。潤は1人にしてくれと明子に
言います。明子が病室を出る瞬間に、潤はさよならと言う
のでした。明子はまた来ると言って病室を出ました。

正人は柳田から三崎が犯行を認めたこと、ただ動機が異常
なので精神鑑定が必要と聞きます。自分が精神鑑定をする
と言う正人に、柳田は戸惑います。そこへ柳田に電話が掛か
ってきました。柳田は潤が病院を抜け出したことを正人に告
げます。これは京子にも伝えられていました。

京子は海に行き、海岸近くに横たわっている潤を発見します。
よくここが分かったなと潤が言うと、京子は海にいくことを
約束したでしょと答えます。京子は潤を抱えます。潤は煙草
に火を付けてくれと言います。京子が自分で火をつけて、潤
に咥えさせようとしましたが、潤が動きません。潤のかけて
いたサングラスを外すと既に息絶えていました。

正人は京子と一緒に精神鑑定のために、取調室で三崎と面会
しました。三崎は俺は正常だからすぐに死刑台に送り込め、
しかし本当に面白いことはこれから起こることを忘れるなと
薄ら笑いを浮かべて言うのです。正人は嫌な感じがしました。

帰宅した正人は明子の様子がおかしいことに気づきます。
明子に手紙が来ていて、それを見ると「貴女の江上勝は生き
ている。あと1ヶ月逃げ切れば貴女の前に現れる」と書かれ
ていたのです。さらに江上の顔写真まで同封されていたので
す。

ついに松田優作演じる潤は、亡くなってしまいました。ある
程度予期していたとはいえ、残念でなりません。


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