芸術家の特徴

今日の名言
芸術家というものは、つくづく困った種族である。鳥籠とりかご
一つを、必死にかかえて、うろうろしている。その鳥籠を取りあげ
られたら、彼は舌を噛かんで死ぬだろう。なるべくなら、取りあげ
ないで、ほしいのである。
誰だって、それは、考えている。何とかして、明るく生きたいと
精一ぱいに努めている。昔から、芸術の一等品というものは、つねに
世の人に希望を与え、怺えて生きて行く力を貸してくれるものに、
きまっていた。私たちの、すべての努力は、その一等品を創る事に
のみ向けられていた筈はずだ。至難の事業である。けれども、何とか
して、そこに、到達したい。右往も左往も出来ない窮極の場所に坐っ
て、私たちは、その事に努めていた筈である。それを続けて行くより
他は無い。持物は、神から貰った鳥籠一つだけである。つねに、それ
だけである。」(「一燈」より「太宰治全集3」ちくま文庫収録)

これは太宰治の作家としての気概、心構えを示したものなんでしょう。
いかに一等品を創作することが困難な作業かが伝わってきます。芸術家
の特徴が言い表されているとも思えます。

作家に限らずあらゆる芸術家もきっと同じ思いなんでしょう。いい作品を
作ろうとして、艱難辛苦を乗り越えているんでしょう。

そうやって作り上げられた作品にめぐり合えることは、とても幸せなこと
だと思います。
送料無料/太宰治全集 3/太宰治
商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。お買い物される際には、必ず商品ページの情報を確認いただきますようお願いいたします。また商品ページが削除された場合は、「最新の情報が表示できませんでした」と表示されます。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする