今日の名言
「自分の不幸は、拒否の能力の無い者の不幸でした。すすめられて
拒否すると、相手の心にも自分の心にも、永遠に修繕し得ない白々
しいひび割れが出来るような恐怖におびやかされているのでした。」
(「人間失格」より新潮文庫)
繊細な人は、ここまで相手に対して恐怖するものなのでしょうか。
確かに進められたものを拒否すると、相手に対して申し訳ない
気がします。しかし、永遠に修繕し得ないひび割れができると
までは思わないでしょう。
この拒否が出来ないということは、確かに非常に不幸な人生に
なるひとつの理由でしょう。
いらないこと、したくないこと、全て受け入れないといけない
わけですから、負担の大きさと言ったらこの上ないでしょう。
でも、拒否することによって生じる恐怖に勝てないために、益々
悪循環になっていってしまうのです。
人間生きていく上で、少しくらいは自分勝手さを持ち合わせて
いないと、不幸になってしまうということなのでしょう。