青春とは、不安で淋しい時代でもある?

今日の名言
わが友の、笑って隠す淋しさに、われも笑って返す淋しさ。
(「正義と微笑」より「パンドラの匣」新潮文庫収録)

主人公の芹川進が、蹴球部のキャプテンと喧嘩をした翌日、
進むが、謝って和解した場面の名言です。

喧嘩後も、なんとく心がもやもやしていて、決して相手を許し
たわけではないけれども、喧嘩をしたままの不安な気持ちでい
るのが嫌だから、進むが先に謝ったときの、喧嘩をした両者の
気持ちが集約されているように思います。

青春の不安という淋しさが、笑っても隠せないんですね。
これからの将来の受験や進学といった壁を前にしている
若者は、大いに悩んでいるからこそ、喧嘩をしたままの
状態の不安な気持ちだけでも解消してしまいたかったん
でしょうか。

未来ある若者のことを、とても優しい気持ちで見ている
太宰治の、若者を応援しようという思いが垣間見えるよう
な気がします。
パンドラの匣改版 [ 太宰治 ]
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