今日の名言
「人の力で、どうしても出来ない事が、この世の中にたくさん
あるのだという絶望の壁の存在を、生れてはじめて知ったような
気がした。」(「斜陽」より)
本当に多くのことが、人の力ではどうしようもないということに気付い
たときは、とてつもない無力感に苛まれますね。
私が20代のころ、父親が酒と女と博打にお金をつかいこんで、
サラ金からの借金で、にっちもさっちも行かない状況になりました。
私は法律の専門家でも、お金持ちでもありませんでしたから、
何も出来ませんでした。その数年後、父親が亡くなったときに、
相続放棄の手続きをしただけです。
またそんな無茶苦茶な父親と暮らしていた母親は、精神的に
参ってしまったのか、行方不明になりました。
とても無力感を味わわされました。情けない気持ちになりました。
身内のことで、無力感を、絶望の壁の存在を痛感させられる事
は、なんとも言えないくらい、情けないものです。
斜陽改版 [ 太宰治 ]