諸悪の根源とは家庭の幸福?

今日の名言
「所謂「官僚的」という気風の風洞は何か。私は、それをたどっ
て行き、家庭のエゴイズム、とでもいうべき陰鬱な観念に突き当
り、そうして、とうとう、次のような、おそろしい結論を得たの
である。曰く、家庭の幸福は諸悪の本。」
(「家庭の幸福」より「ヴィヨンの妻」新潮文庫収録)

太宰治自身、誰よりも家庭の幸福を願うものの、そんな幸福を
味わうこと自体が、作家としていいのかどうか、悩み苦しみ、
結果、家庭を犠牲にして作品を数多く生み出してきたと言える
でしょう。

その太宰治は、「家庭の幸福は諸悪の本」と言った真意はどこ
にあるのでしょうか。

一個人として、幸福を追求すること、家庭の幸福を願うことは
何の罪もありません。

しかし、他者に対してまで、一個人の幸福追求をたてにして
エゴ丸出しの行動をすれば、当然そのエゴによって、他者が
犠牲になります。

現代でも全く同じで、常に自分個人とその周りの他者との関係
を意識して生きることが大事で、皆が自分のエゴばかりを主張する
と、世の中は破綻してしまいます。

そういう意味では、やはり生きるということは難しい、大変辛い
ことです。
ヴィヨンの妻改版 [ 太宰治 ]
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