辛い、苦しい、助けてと愚痴りたい

今日の名言
「私にも、いけないところが、たくさんあったのだ。ひとに頼り
すぎた。ひとのちからを過信した。そのことも、また、そのほか
の恥ずかしい数々の私の失敗も、私自身、知っている。私は、
なんとかして、あたりまえのひとの生活をしたくて、どんなに、
いままで努めて来たか、おまえにも、それは、少しわかっていない
か。わら一本、それにすがって生きていたのだ。ほんの少しの重さ
にもその藁が切れそうで、私は一生懸命だったのに。わかって
いるだろうね。私が弱いのではなくて、くるしみが、重すぎるのだ。
これは、愚痴だ。うらみだ。けれども、それを、口に出して、はっ
きり言わなければ、ひとは、いや、おまえだって、私の鉄面皮の
強さを過信して、あの男は、くるしいくるしい言ったって、ポオズ
だ、身振りだ、と、軽く見ている。」
(「姥捨」より「太宰治全集2」ちくま文庫収録)

自分自身の苦しみや辛さを人にも分かってもらいたい、でもそれ
を人になかなか口に出して言うことも出来ない、そんなジレンマ
を感じることは、人生の中において多々あると思います。

生きることそれ自体、非常に難しいですし、でも周りを見ると
人は皆楽しそうで、こちらの苦しみや辛さなんて分かるはずも
ない、だから余計に腹立たしいという思いをすることもあります。

こういう思いをストレートに作品の中で表現してくれる太宰治
は、非常に正直で、自分自身を偽らず、ありのままを曝け出して
くれているので、共感してしまいます。
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