真の愛情とは

今日の名言
「 真実というものは、心で思っているだけでは、
どんなに深く思っていたって、どんなに固い覚
悟を持っていたって、ただ、それだけでは、虚
偽だ。いんちきだ。胸を割ってみせたいくらい、
まっとうな愛情持っていたって、ただ、それだけ
で、だまっていたんじゃ、それは傲慢だ、いい気
なもんだ、ひとりよがりだ。真実は、行為だ。愛
情も、行為だ。表現のない真実なんて、ありゃし
ない。愛情は胸のうち、言葉以前、というのは、
あれも結局、修辞じゃないか。だまっていたん
じゃ、わからない、そう突放されても、それは、
仕方のないことなんだ。真理は感ずるものじゃ
ない。真理は、表現するものだ。時間をかけて、
努力して、創りあげるものだ。愛情だって同じこ
とだ。自身のしらじらしさや虚無を堪えて、やさ
しい挨拶送るところに、あやまりない愛情が在る。
愛は、最高の奉仕だ。みじんも、自分の満足を
思っては、いけない。
(「火の鳥」より「太宰治全集2ちくま文庫収録)

太宰治の作品には、数多く名言がありますが、
特に好きな名言の一つです。

真実も愛情も行為だ、表現だというのは、まさ
にその通りで、黙っていれば、それは分からな
いですからね。

さらに、真理も愛情も時間を掛けて努力して、
創り上げるものだというのも納得ですね。

愛は最高の奉仕だ、みじんも自己の満足を
思ってはいけないというのは、その通りですが、
なかなか出来ないですね。どうしても相手に
対して自分はこれだけやってあげているのに
と、見返りを求めてしまうんです。

なんとか時間を掛けて努力して、あやまりの
ない愛情を創り上げたいものです。


太宰治全集 2 ちくま文庫 【文庫】

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