太宰治の考える恋愛とは

今日の名言
恋愛。好色の念を文化的に新しく言いつくろいしもの。
すなわち、性慾衝動に基づく男女間の激情。具体的には、
一個または数個の異性と一体になろうとあがく特殊なる
性的煩悶。色慾の Warming-up とでも称すべきか。
(「チャンス」より太宰治全集8」ちくま文庫収録)

かなり太宰治らしい、シニカルな恋愛の定義ですね。
ここまで言うと、批判が殺到しそうな気がします。

太宰治は、恋について恥ずかしいものと言っています。
つまり、異性に対す性欲や色欲が当然あるものと考えて
いるわけです。いわんやチャンスに乗じた恋愛はなお
さらだと言っています。だから愛という字をくっつけて、
恋愛と言ったところで、それは変わらないわけです。

だから、戦後の民主主義になって、戦前より自由になった
社会において「恋愛」という言葉で、さも文化的に高尚な
ものみたいに「恋」について言い繕っている人々に対する、
思いっきりの皮肉なのだと思います。

太宰治の恋の定義で間違ってないと思いますけどね。
◆◆太宰治全集 8 / 太宰治/著 / 筑摩書房
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