世の中の考え方や思想は変わる

今日の名言                                     「所謂社会主義の世の中になるのは、それは当り前の事と思わ
なければならぬ。民主々義とは云っても、それは社会民主々義
の事であって、昔の思想と違っている事を知らなければならぬ。
倫理に於いても、新しい形の個人主義の擡頭しているこの現実
を直視し、肯定するところにわれらの生き方があるかも知れぬ
と思案することも必要かと思われる。
(「新しい形の個人主義」より「もの思う葦」(新潮文庫)収録)

太宰治の作品には、このような思想に関するフレーズも
多く書かれています。戦前と戦後で全く政治体制も変わった
日本を経験している太宰治だからこそでしょうか。

現代でこそ個人というものが大切にされていますが、戦前まで
は個人よりも、国家という全体の利益が優先されていたのです
から、個人主義を肯定するという思想自体が、世間に受け入れ
られるのは簡単なことではなかったでしょう。

しかし戦後の日本国憲法に「個人の尊厳」も認められ、個人が
最大限尊重されるというのが当り前の考え方の世の中になって              いる事自体は、現代に生きる者として、ありがたいことです。

果たして太宰治は、当時において日本の今の状態を予想しえて
いたのでしょうか。
もの思う葦改版 [ 太宰治 ]

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする