今日の名言
「弱虫は、幸福をさえおそれるものです。綿で怪我をするん
です。幸福に傷つけられる事もあるんです。」
(「人間失格」より新潮文庫)
生きることは本当につらいです。いろいろ気遣いをしたり、
配慮したり、神経が磨り減ります。
でも、幸福をまでもおそれるという気持ちにまでならない
のではないでしょうか。
しかし、神経があまりに繊細だと、自分が幸福になると、
いつかそのしっぺ返しくるのではないか恐れてしまう。
だから幸福を感じても、その幸福に浸れない。幸福な状態
から逃げ出してしまう。こうなると、不幸としか言いよう
がないですね。周囲の人までも、不幸にしてしまうでしょう。
でもそれくらい、人間を恐れ、世の中を恐れているからこそ、
幸福さえも信じられない、幸福にまで傷つけられるということ
なんでしょう。
人間が生きていくには、少しくらい神経が図太くないといけ
ないと思わざるを得ないということは、世の中は、繊細な
人間を、淘汰してしまうんでしょうか。