太宰治は人間は恋と革命のために生まれて来たと考える

今日の名言
敗戦後、私たちは世間のおとなを信頼しなくなって、
何でもあのひとたちの言う事の反対のほうに本当の生きる
道があるような気がして来て、革命も恋も、実はこの世で
最もよくて、おいしい事で、あまりいい事だから、おとな
のひとたちは意地わるく私たちに青い葡萄だと嘘ついて
教えていたのに違いないと思うようになったのだ。私は
確信したい。人間は恋と革命のために生れて来たのだ。
(「斜陽」より)

戦時中と戦後で全く世の中が変わってしまい、いかに世間
や社会が、いい加減であり、その場しのぎでしかないかと
いうことに、主人公のかず子らは気付きます。

そんな世の中を支配する人間は、世渡りの上手な小賢しい
人ばかりで、全く信用ならないわけです。

だからかず子は、既婚者である作家上原へ恋する気持ちを
偽ることなく、本当の気持ちを隠さず貫き通します。

そしてこのように、人の言いなりではなく、自分の意思で行動
するようになること、自分自身を変えることが彼女にとっての
革命であるわけです。

決して、まわりに流されるのではなく、しっかりと自分自身の
軸を持って生きる強さというものが、いつの時代にも必要だ
と思います。
斜陽改版 [ 太宰治 ]

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