社会的責任を個人も負う

今日の名言
いまは人間、誰にもめいわくかけずに、自分
ひとりを制御することだけでも、それだけでも、
大事業なんだ。それだけでも、できたら、そいつ
は新しい英雄だ。立派なものだ。ほんとうの自
信というものは、自分ひとりの明確な社会的な
責任感ができて、はじめて生れて来るものじゃ
ないのか。まず自分を、自分の周囲を、不安な
いように育成して、自分の小さいふるさとの、自
分のまずしい身内の、堅実な一兵卒になって、
努めて、それからでなければ、どんな、ささやか
な野望でも、現実は、絶対に、ゆるさない。
(「火の鳥」より「太宰治全集2ちくま文庫収録)

世の中の厳しさを表現した名言ですね。簡単
には自分の夢や野望はかなわないものだと
いうことです。

まずは自分自身のことの前に、自分のふるさと
や自分の身内に対する責任を持って行動する
ことが第一であるというのも、なるほどと思い
ます。

確かに現在でも、自分中心に人生を考えて、
まるで自分ひとりで生きているかのように感じ
られるような人もいますからね。

決して人間は1人で生きているのではなく、周
囲に生かされているという面もありますからね。


太宰治全集 2 ちくま文庫 【文庫】

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