生きる事について、それは息もたえだえの大事業

今日の名言
生きている事。生きている事。ああ、それは、何という
やりきれない息もたえだえの大事業であろうか。
(「斜陽」より)

生きているという事は、本当に辛く苦しいことにたくさん遭遇
します。

凡人で、何か偉業を成し遂げたわけでもないにも関わらず、
普通に生活しているだけでも、悩み、苦しみ、悶えることが
必ずあります。

特に望みが高いわけではないんです。普通に生活していけ
るだけでいいんです。でも、何かしら問題や壁が立ちはだかり
ます。

そんな思いをしながら、そして問題や壁をなんとかしながら
いきることは、一個人としては本当に大事業と言えるのでは
ないでしょうか。

戦時中と戦後で、世の中の状況がまるっきり変わってしまい
政治家や指導者のことを全く信頼できない、そして世の中も
矛盾だらけ、何が真実なのかまるっきり分からないそんな
中で、主人公のかず子、作家上原は生きています。

まさに生きている事は、大事業なのです。どうして生きれば
いいか、何のために生きればいいのか、それが分からない
というのは、想像を絶する時代であったのだと思います。
斜陽改版 [ 太宰治 ]

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