今日の名言
「待つ。ああ、人間の生活には、喜んだり怒ったり悲しんだり
憎んだり、いろいろの感情があるけれども、けれどもそれは
人間の生活のほんの一パーセントを占めているだけの感情で、
あとの九十九パーセントは、ただ待って暮らしているのでは
ないでしょうか。幸福の足音が、廊下に聞えるのを今か今かと
胸のつぶれる思いで待って、からっぽ。ああ、人間の生活って、
あんまりみじめ。生れて来ないほうがよかったとみんなが考え
ているこの現実。そうして毎日、朝から晩まで、はかなく何か
を待っている。みじめすぎます。生れて来てよかったと、ああ、
いのちを、人間を、世の中を、よろこんでみとうございます。」
(「斜陽」より)
生活している中で、確かに「待つ」ということは多々
ありますね。
例えば、合格発表を待つ、会社の内定通知の連絡を待つ、
恋愛が成就するかどうか、好きな人からの連絡を待つなど、
様々の待つという機会があります。
しかし、待った結果、自分の臨んだ結果が訪れるかどうか
が分からず、辛い思いをし、しかも残念な結果が出る場合
もあります。
そんな時は、なんとも言えないくらいみじめですね。太宰
治の言うように、生まれて来ないほうがよかったと、周り
から思われいるかと思うと、あまりの情けなさに発狂した
かのように、わぁっーと叫びたくなります。
だから、ああ生まれて来てよかったと喜べる人生を送りたい
ものです。そのためにも、日々の生活を精一杯生きること
だけは、心がけたいと思います。
斜陽改版 [ 太宰治 ]